感動秘話『ザッキ~おにいさんができるまで⑪』 [ザッキ~the History]
とうとうその日がやってきてしまった
大学4年・・卒業を前にした、まだ寒い月の夜
彼らと自分達ボランティアグループとの “お別れ会” が施設でおこなわれた。
ザッキ~、彼らからは毎週木曜日にやってきて折り紙の恐竜やカブトムシ、バラの花や指輪などを作ってくれる工作のおにいさん?(おじさんかな)に思われてたみたいで・・
行くと必ず 『次はこんなの作ってきて!』
とか、『〇〇ちゃんよりスゴイの作ってきて♪』
って10人くらいの子に頼まれて毎回せっせか、せっせか作っていたんだ
そうそう、なかでも子ども達に人気があったのは
暗闇でひかる『ザッキ~妖怪カード』
たまたま蛍光折り紙を数枚持っていったら好評だったので
これに手を加えたら・・子供心をくすぐる素敵なものが出来るのでは?と
自分が子どものころ、駄菓子屋で夢中になった “カードくじ” をイメージして作ってみたんだ
実はさ、ザッキ~の卒論テーマも 『子どもとコワイ紙芝居について』
って内容で、昔も今も子ども達はこわいものに魅かれるってことを事前にちゃんとリサーチしてたんだ。
ま~、制作当初は
自分の頭にあるホラーキャラクターが中心で
それらを紙に書いて、蛍光折り紙にうつしとり、
切り絵のように無駄な部分をカッタ~で切り抜いていくって感じで作っていったんだ
子ども達の希望としては・・魔女や河童、鬼太郎やねずみ男、なぜだかゾンビが多かったな~
それも女の子の希望!
≪ゾンビつくんのが、いちばん難しかったな~ザッキ~≫
それ、持っていったらスゴイ人気でね~
作った本人も手放したくなくなる位の出来ばえだったんだ~
持って行けばいくだけ飛ぶようになくなっていった
そして・・
さよならの前の週も子ども達からある依頼を受けてたんだ・・ザッキ~。
それは“ 剣 ”・・・。
どうして子ども達が “ 剣 ” を希望したのか?みなさんは分かりますか?
彼らは“自分を守るなにかを常に求めてる”からなんです。
本来なら・・その役割は父親もしくは母親がやってくれるものなのでしょう。
しかし、彼らにはその存在がない。あったとしてもすごく不安定だから・・
ゆえに・・・“ 剣 ” なのです。
そこには “誰も信じられない” という叫びがこめられているのです。
ここまで書いて・・勘のイイ方ならもうお分かりだと思いますが
以前のザッキ~と、この施設の子ども達の気持ちは同じものだったのです。
だから・・ともに魅かれあった。
そうザッキ~は思ってるんだ。
もしかしたら・・M先生には最初からそれが見えてたのかもね
≪だって心理学者だもん≫
それだから、2年間もこの施設の訪問をゆるして下さったんだ・・きっと
あの『お別れ会』のこと
いまも心に残ってる・・。
メンバ~一人一人が子ども達前に挨拶していくんだけど
しょっぱな園長先生が挨拶しながら泣いてるし・・・
火がついたボラメンの花、Hちゃんまで声ウルウルで泣いちゃうんだもん
その姿みてたザッキ~、ほんとヤバかったよ~
たとえ悪いけど死刑の判決をまつ囚人のような面持ちで・・・
あ~もうすぐでザッキ~(前から7番目くらいだったような?)
そして・・
ついに自分の挨拶の番がやってきて・・・
≪このおはなしは次回につ・づ・く≫
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