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感動秘話『ザッキ~おにいさんができるまで⑫』  [ザッキ~the History]

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とうとう自分の番がやってきた ≪ドキドキ≫[黒ハート]

なにを言ったのか・・自分がどんな顔して喋ったのか?

残念ながらもうほとんどおぼえていない・・。

ただ自分をみつめる彼らの目があたたかくて

 “やっぱりここに居たい” って心がダダこねてたのはおぼえてる。

ほとんど家族同然のように接してたから なおさらね・・。

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実は・・この “お別れ会” の日時が決まったある日、
ボラ担当のM先生がこんなことを言ってくれたんだ。
≪すでに先生は自分の心が施設から離れられなくなっている事に気づいてたんだね≫

あの子達のためにもちゃんとしたわかれを見せることは大事なこと・・ それができるのはザッキ~だって。

考えてみれば・・自分の意思とはうらはらに親に見捨てられたり、
唯一守ってくれるはずの親から乱暴されたり・・信じる心、愛するものを失ってしまった、そんな
彼らの頭にある “別れのかたち”とは相手側(母親・父親の)一方的なものだったに違いない。

そんな彼らにとって
おりがみを頼めば必ず作ってくれる“ザッキ~おじさん?” は約束を守ってくれるひと・・
≪そのくらいには思ってもらえてたかな[わーい(嬉しい顔)]

だからこそ、その “信じてもいい人” が、ちゃんとした別れのかたちを見せることが大事なんだって。

今だからこんな風に受け止められるけどさ、
当時はM先生は、な~んて薄情なことしてくれんだろって思ったよ。
こんなに深く関わらせといて斬るときはスパって斬れだなんて

しばらくはザッキ~立ち直れなかったんだから・・淋しくて。



約束を守る・・これだけはどんなことがあっても通してみせる!
ザッキ~、これだけはどんなことがあっても通そうって心に決めてたんだ。

もち、剣の制作はと~っても大変な作業だった。
ザッキ~が卒論で制作した紙芝居の厚紙を切り刻み、色画用紙を巻いたり、ホイル折り紙をつけたり・・。
子ども達が遊んでて、つつきあっても怪我をしないように剣先は丸く削る配慮を・・。
それから最も力を入れたのは子ども達各々の希望を忠実に再現してあげること。
こんなマークがついた“炎の剣”とか、誰よりも長く柄の所が銀色の“ロングソード”がイイとかネ♪

どうしてここに力を入れたかって言うと
子ども達が心で描いている夢の部分でもあるって思ったからなんだ。
集団生活って・・ある意味、自分を押し殺して生活しなきゃならない部分大きいじゃない?
子ども達と関わってて・・
自分が好きに出来るものって限られちゃうんだな~って実感して。
せめて、こんなおもちゃくらいザッキ~おじさんが夢みさせてあげよう!ってさ。

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自分のあいさつが終わってからすぐ、園長先生が立ち上がって袋に入った剣を持ってきてね、

『ザッキ~さんから直接子ども達に渡してあげてください』 って言うんだ。

こどもたち、いっせいに自分の周りに集まってきて・・バーゲン会場のように(笑)
名前が入ったそれぞれの剣を手にして大喜びしてた。

ふと見たら! 
思った通り一組の男児たちが剣を使って斬りあいを始めてるでは!!
おもわずおにいさん、

『その剣は人を傷つけるためのものではないよ・・人を守るために使うものなんだ』 

そう叫んでた。
続いて園長先生も同じ事を復唱してくれた。

『ザッキ~さんがいったでしょ! その剣は人を守るためのものなんだって!』


この言葉が効いたのか?ふたりとも照れ笑いしながら離れていった。




そして・・会は無事終了し、自分達は控え室に通された。

おにいさんたちボラメンバーはドキドキの挨拶が終わったこともあって
ホッとした面持ちで語り合っていた。

M先生もやってきて、自分達にねぎらいの言葉をかけてくれた。

ふと・・先生が “ザッキ~に” と、6通のかわいらしい封筒を差し出した。





≪このおはなしは次回につ・づ・く≫






Photomemo
だいすきなみんなへ・・    byザッキ~
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