感動秘話『ザッキ~おにいさんができるまで⑬』 [ザッキ~the History]
ひとつひとつの封筒には見覚えのある名前が書いてあった。
なかには “ジャッキ~” と書いた字を消しゴムで一生懸命消し、急いでザッキ~と直したもの、
折り紙先生へと書き、“へ”の字に斜線を入れてかわいくしたものなどもあった・・。
封筒のなかを見てみると思わずふきだしそうになるようなイラストが入ってたり、
おみくじ風に蛇行した線が裏まで続いている紙などが入れられてたりと・・
それぞれが色々と工夫してありその子たちの顔までがしっかりと浮かんできた・・。
文章を読んでいてザッキ~はまたまた、ジーンとさせられた。
***********************************************
『忙しいのにいつもボクたちの為に本を持ってきてくれてありがとう。
でも、そんなに本を買ってザッキ~はお金大丈夫なんですか?』
『忙しいのにザッキ~サンタで2回も僕らを楽しませてくれてありがとう。
まさか2回もザッキ~サンタが来るとはビックリ・・』
『毎週、ザッキ~が早く来てくれないかな~早く来てくれないかな~と楽しみにしてました。
もう会えなくなると聞いて “え~最悪”って思ったよ 』
***********************************************
あの子たちは・・
自分のことよか、ザッキ~の事心配してくれてたんだ
そうなんだよ・・
あの子たち、どんなに親にひどいことされても
心の奥底では必死に求めてんだよね・・
悪いのは親ではなく自分に責任があるから・・
いや、親をいじめる社会が悪い・・
絶対に信じるものか! 自分を、自分の家族をそういう目に合わせた社会を!
あんな小さな心で必死に頼れるものを求めながら・・
それでもそれを手に入れることが出来ずもがいている・・。
こんなに人をいたわる心を秘めながら・・
それすらもうまく表現できない彼ら・・。
十分すぎるくらい自分には分かってた・・。
初めて会った時からね・・。
自分を見てるようだったから・・
だからあの場所にいるとホッとした。
やっぱり家族になってたのかもね・・ザッキ~も
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
やがて春が訪れ・・大学の卒業式がやってきた
だが、ザッキ~はその式に出ることはなかった・・。
≪このおはなしは次回につ・づ・く・・・・≫
コメント 0